第2回 愉しませる音楽
「 カレドニア」by ルイ・ジョーダン
さて、皆さん!
前回の第1回目の曲はどうでしたか?ちょっと意外な印象を持たれたかも知れません。ブラックミュージックについて多少知識のある人は、ブルースとゴスペルというブラックミュージックの二大要素から話を始め、どう発展していったかを年代順に見たりするのが妥当と思うかも。
あえてそうしなかったのは、ブラック・ミュージックを感覚的に味わって欲しいからです。キーワードを軸に、あらゆる時代、あらゆるジャンルに共通する感覚が伝わればと思っています。
それでは,次の曲を聴いてみましょう。
これは「ジャンプ・ブルース」と呼ばれるもの。1946年の演奏です。聞いているだけでなんだか楽しくなってきますね。踊りだしたくなるような、飛び跳ねたくなるような感じなので、ジャンプ・ブルースと呼ばれました。音楽のジャンル的に説明するとすればブルースの要素とジャズの要素が、よく溶け合っています。
ここから、R&B(リズム&ブルース)と呼ばれるジャンルの世界の萌芽が見えてきます。R&Bはロックンロールの元ですので、この曲はロックの源流とも言われています。とにかく、お伝えしたかったのは、この“明るさ”“楽しさ”です。聴く者を愉快な気分にさせる、これぞ肩ヒジの張らない大衆的エンターテイメントの真髄でしょう。
余談ですが、ルイ・ジョーダンは、私生活では気難しい人だったとか。どんな歌詞が面白がられるか、どんなリズムだったらノレるか、どんなパフォーマンスをすればウケるか、必死に考えていたのかも知れませんね。
レコードでは落ち着いた雰囲気の人も、ライブだとエネルギッシュだったりして驚くことがあります。そういえばライブ盤の傑作もたくさんあります。また、美人シンガーソングライターのビヨンセが敢えて太ももをさらけ出す大胆な衣装で歌い踊ったりするのも、「楽しませる」演出だと思うのです。
エンターテイメント精神、これもブラックミュージックを“感じる”重要な要素です。
それではまた!
2013年リリース。世界で大ヒットの「パーティション by ビヨンセ」。
このミュージックビデオもセクシーすぎると話題になりました。